

「ぎっくり腰のようにズキッと響く痛み」「お尻から脚にかけて電気が走るようなしびれを伴う痛み」「はっきりした原因がないのに、じっとしていても腰が重だるく痛む」――同じ「腰痛」でも、痛みの感じ方は人によって大きく異なります。
実は腰痛の痛みは、その発生の仕組みによって大きく3つのタイプに分けられるとされています[1][2]。自分の痛みがどのタイプに近いかを知っておくと、医療機関を受診する際の目安になります。

骨折や打撲、筋肉や靭帯の損傷など、体の組織がダメージを受けたときに生じる痛みです[1]。包丁で指を切った時のような、原因がはっきりしている痛みがこれにあたります。ぎっくり腰(急性腰痛症)の多くはこのタイプに近いと考えられています。

腰から脚にのびる神経が圧迫されたり傷ついたりすることで起こる痛みです[1]。「電気が流れるような」鋭い痛みやしびれが特徴で、椎間板ヘルニア(背骨のクッションが飛び出して神経を圧迫する状態)や脊柱管狭窄症(神経の通り道が狭くなり圧迫される状態)が代表的な原因とされています[1]。

以前は「心因性」と呼ばれることもあった痛みで、はっきりした損傷が見つからないにもかかわらず、脳が痛みに敏感になっている状態です[1]。過度な安静や活動量の低下、ストレスなどが関わっていると報告されています[1]。慢性化した腰痛の背景に、このタイプが関わっているケースも少なくないとされています。
・ケガや強い動作の直後にズキッと痛んだ ⇒ タイプ1の可能性
・脚のしびれや電気が走るような痛みを伴う ⇒ タイプ2の可能性
・痛みが3か月以上続き、動くこと自体が怖くなっている ⇒ タイプ3が関わっている可能性
いずれも自己判断だけで決めつけず、実際にどのタイプに近いかは医療機関での診察や検査が必要です。
痛みのタイプによって、有効とされるアプローチは異なるとされています[1][2]。
・タイプ1:消炎鎮痛薬などによる痛みのコントロールが中心になることが多いとされています
・タイプ2:神経の痛みに対する薬物療法に加え、症状によっては椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症そのものへのアプローチが検討されます
・タイプ3:薬物療法だけでなく、少しずつ体を動かすリハビリや、痛みとの付き合い方を見直す心理的なアプローチが並行して行われることがあります
ILC国際腰痛クリニックでは、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、すべり症といった神経由来の腰痛(タイプ2)を中心に、手術以外の治療の選択肢についても相談できる体制を整えています。どのタイプの痛みに近いか分からない場合も、まずは症状を確認してもらうことが、今後の治療方針を考えるヒントになります。
Q 3つのタイプが混ざっていることはありますか?
A あります。特に長引く腰痛では、神経の圧迫(タイプ2)がきっかけとなり、そこに痛覚変調性疼痛(タイプ3)が重なっているケースも報告されています[1]。
Q 自分でタイプを判断してもいいですか?
B 目安として知っておくのは有用ですが、正確な診断には画像検査や医師による診察が必要です。自己判断で治療法を決めず、専門機関に相談することをおすすめします。
腰痛とひとことで言っても、その痛みの発生の仕組みは1つではありません。侵害受容性・神経障害性・痛覚変調性という3つのタイプを知っておくことで、自分の痛みと向き合う手がかりになります。長引く腰痛やしびれを伴う痛みがある場合は、早めに専門機関へ相談することをおすすめします。
ILC国際腰痛クリニック 公式サイト:https://ilclinic.or.jp/
無料画像相談はこちら:https://ilclinic.or.jp/diagnostic-imaging
[1] 日本腰痛学会「痛みの分類」 https://www.jslsd.jp/knowledge/classification/
[2] 日本整形外科学会・日本腰痛学会(監修)『腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)』南江堂、2019年